福岡市早良区藤崎(西新)の歯科医院を開設している「ほりねこ」のブログ

ほりねこ院長のホリスティック日記 › 歯科 › 花粉症と歯の痛みについて
いよいよ本格的な花粉症の季節到来です。

花粉症と歯の痛みについて

かくいうほりねこも花粉症持ちなのです。

この時期になるとくしゃみは出るわ、鼻水は出るわ、目がかゆくなるわ。

以前に漢方薬を飲んでからは症状がかなり軽くなってきているので

今はお薬に頼ることはありません。



実はこの花粉症の時期になると「上の奥歯が痛い」と来院される方が

増えます。

虫歯や歯周病を疑って検査しても口の中には悪いところはどこにもない。

でも奥歯の方になんとなく鈍痛がする。

このような症状の時には患者さんにひとつ質問をします。

「今、どろっとした鼻水が出ていませんか?」

そう。歯の痛みの原因は鼻(厳密には副鼻腔)にあったのです。




鼻の奥には副鼻腔という粘膜に覆われた狭くて複雑な形をした

4つの空洞があります。

それぞれ上顎洞、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、

蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)と名前が付いています。

鼻から吸い込んだ空気はここで加湿、温度を調節されて

気道を通り肺へと届けられるのです。

花粉症がひどくなると副鼻腔の中に鼻水がたまって、鼻が詰まるだけではなく

頭が重く感じたり、頭痛がしたりすることがあります。

通常、花粉症の時に出る鼻水は透明でさらさらしていることがほとんどですが、

副鼻腔内で細菌やウイルス感染を起こすと、膿が混じったどろっとした黄色い

鼻水に変わります。

この状態が長く続くと慢性副鼻腔炎という状態になります。

いわゆる『蓄膿症』です。

この副鼻腔のうち一番大きな上顎洞という空洞があります。

位置はちょうど左右のほほ骨の下のあたりです。

実は上顎洞と上の奥歯の根の先端部分はとても近くにあります。

人によっては上顎洞の中に歯の根の一部が飛び出しているケースも

あるくらいです。

上顎洞に膿がたまって炎症が強くなると、その周囲に痛みが出ます。

ですから近接している上の歯の奥歯の付近が痛んでいるように錯覚を

起こすのです。

これが今回の場合の「歯が痛くなる」原因です。

上顎洞に膿がたまっている場合は歯科医院で使用するレントゲンでも

十分に確認できますのである程度の目星を付けるのは簡単です。

このような患者さんには抗生物質を服用してもらうと、かなりの場合症状は

和らぎます。

また、鼻の症状が改善されないようなら耳鼻科への受診を勧めています。



一連のことを説明すると、患者さんは自分の歯の痛みが虫歯でないことに

安心すると同時に、その原因が鼻にあることを知ると大変驚きます。

どうですか?

皆さんもこんな症状に心当たりありませんか?




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Posted by ほりねこ at 10:43│Comments(0)歯科
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