福岡市早良区藤崎(西新)の歯科医院を開設している「ほりねこ」のブログ

ほりねこ院長のホリスティック日記 › 2012年03月28日

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そもそもほりねこが訪問診療を始めようと思ったきっかけは

「ミキサー食」に頼らざるを得ない人たちを一人でも少なくしたいと

考えるようになったからでした。

とある勉強会で、入院患者さんのミキサー食の実態のスライドを見せられた時、

衝撃を受けたと同時に、「自分の親が年老いたとしても絶対にこんな食事を

させたくないな」と言う気持ちになりました。

ここで言うミキサー食とは栄養や味を考えて食べやすいようにミキサーを使って

調理されたものではなく、入院患者用に作った食事を全部まとめてミキサーにかけて

ドロドロにしたものだったのです。

これでは家畜のえさと一緒です。

人間の尊厳もへったくれもありません。

介護の効率のためにそのような扱いを受けなければならない状況に

悲しくなりました。

介護が必要な患者さんがきちんとした歯科治療を受ける機会があれば

こういった事にならずにすんだのかもしれません。

もちろん病院や施設によっては、食事にも時間をかけてきちんとした

対応を取っているところも多いと思います。

身体の自由も利かなくなり、外に出かけたりできなくなってくると

「食事」が人生の楽しみのウエートを占める割合が高くなると思います。

食べ物を美味しく食べることがどんなに幸福感を得られることか。

そういった幸せを少しでも取り戻せるお手伝いができれば・・・

歯科医師になった自分が少しでも社会に貢献できる事ではないかなと

考えていましたが、なかなか実現までには時間がかかりました。



また、最近では口から栄養が取れない人のために胃に直接穴をあけて

高カロリーの栄養が取れるようにした「胃ろう」の問題が新聞などでも

報道されるようになってきました。

もちろん胃ろうによって命を繋ぎとめている方がたくさんいるのも承知してます。

しかし、『食べる』ということをやめてしまうのは、ほりねこにとってはとても

耐えられない事態なのです。

私の祖母は、脳梗塞で倒れた後、亡くなる前まで意識が戻ることなく、

チューブに繋がれたまま生かされてました。

危篤になるたびに親戚が駆けつけ、薬の力で持ちこたえる。

こんな状態が半年も続きました。

これではとても人間らしく生きたとは思えません。

ここで安楽死とか尊厳死の議論をする気は毛頭ないのですが、

食べるのをやめるということは自分で生きる能力をもぎ取られてしまうこと

に等しいと思います。

ミキサー食や胃ろうに頼らないといけない患者さんを少しでも減らせるように

いろんな方との連携をしていきながら、訪問歯科診療に取り組んでいきたいと

思います。








  


Posted by ほりねこ at 09:05Comments(0)ホリデン